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ダグ・ピーダーソンの時代[編集]
2016年にはダグ・ピーダーソンが新HCに就任した。ドラフトでは全体2位でQBカーソン・ウェンツを指名、開幕直前に正QBのサム・ブラッドフォードをミネソタ・バイキングスへ放出した。新人QBらしからぬ落ち着いたプレイを見せたウェンツと守備をチーム伝統の4-3隊形に戻して安定感も取り戻し開幕から3連勝を飾ったが、その後失速し7勝9敗の成績を挙げながらも地区最下位に終わった。
2017年はベテランのWRアルション・ジェフリー、トレイ・スミス、RBリギャレット・ブロウント、CBロナルド・ダービーらを獲得、ドラフトでは守備陣を中心に補強してランディフェンスが向上、シーズン途中には負傷で戦線離脱したRBダレン・スプロールズに代わり、RBジェイ・アジャイを獲得した。QBウェンツの成長もあってチームは8連勝を記録するなどして首位を独走していたが、第14週のロサンゼルス・ラムズ戦でウェンツが左膝の前十字靭帯を断裂しシーズン絶望となり、3年ぶりにチームに復帰した控えのニック・フォールズが先発QBとなった。チームは13勝3敗で地区優勝、NFC第1シードを獲得しホームアドバンテージを獲得した。第1シードを獲得したもののエースQBのウェンツを失ったチームはフォールズがシーズン終盤に低調なプレーを見せた試合もあり、プレーオフでは苦戦が予想された。ディビジョナルプレーオフではアトランタ・ファルコンズを15-10で、NFC チャンピオンシップではミネソタ・バイキングスを38-7でそれぞれ破りカンファレンスチャンピオンとなり、2004年以来となるスーパーボウル出場を果たした。

第52回スーパーボウルで勝利しヴィンス・ロンバルディ・トロフィーが掲げられた
第52回スーパーボウルではニューイングランド・ペイトリオッツと対戦。戦力的にイーグルスが不利と思われていたが、その評価を覆してペイトリオッツを41-33で破り、チーム史上初のスーパーボウルチャンピオンとなった[11]。
2018年は連覇が懸かるが主力選手・コーチ陣の移籍、厳しいスケジュール、全体32位の低いドラフト指名順により1巡指名を回避するなど苦戦が予想された。スーパーボウルMVPのフォールズが開幕QBとなるも不調により第3週からウェンツがQBに復帰するがチームの主力であるRBとDBに怪我人が続出しラン攻撃とパスディフェンスが弱体化した結果プレーオフ出場が厳しい状況に置かれた。シーズン終盤、再びウェンツが負傷してフォールズがスターターに復帰し残り3試合を全勝、最終週で第6シードの座を奪い取り9勝7敗でプレーオフ進出を果たした。ワイルドカードプレーオフでは第3シードのシカゴ・ベアーズと対戦、相手の決勝フィールドゴールをブロックし16-15で勝利、ディビジョナルプレーオフは第1シードのニューオーリンズ・セインツに14-20で敗戦した。
2019年はDEクリス・ロングが引退、QBニック・フォールズがジャクソンビル・ジャガーズに移籍したがWRデショーン・ジャクソンのチーム復帰、ベアーズからRBジョーダン・ハワードを獲得するなどの補強をした。しかしこのシーズンは攻撃陣に怪我人が続出、RB、WRは開幕時のスターター全員が故障で途中離脱となった。負けが先行する苦しい状態ながらもシーズン終盤の同地区対決を4連勝し最終週に地区優勝を決め、9勝7敗の成績で第4シードでプレーオフに滑り込んだ。プレーオフ初戦ではここまでチームを牽引してきたQBウェンツが脳震盪で退場して攻撃陣が破綻、シアトル・シーホークスに9-17で敗退した。
2020年はSのマルコム・ジェンキンスがセインツへ移籍、CBダリアス・スレイを獲得。開幕2連敗の後シンシナティ・ベンガルズと引き分け、4戦目のサンフランシスコ・49ers戦でシーズン初勝利となるが2020シーズンはNFC東地区の全チームが低迷、引き分けの差だけで地区首位をキープする状態が続く。前年地区優勝によるタフなスケジュールも影響し連敗が続き、第14週からはQBウェンツに代わりドラフト2巡のルーキーQBジェイレン・ハーツが先発、ニューオリンズ・セインツ相手に勝利するなどしたが終盤も連敗して同地区が全て負け越す中で4勝11敗1分の成績で地区最下位となり、2021年ドラフトは全体6巡指名となった。すでにイーグルスの地区最下位は決定済みながら、地区一位を決めることになった最終戦の対ワシントン戦では、第4クォーターで先発QBをベンチに置いて敗北し、ドラフトの順番を上げるために意図的に負けたのではないかと論議を呼んだ[12]。2021年1月11日、ピーダーソンHCは解雇された。
ニック・シリア二の時代[編集]
2021年、前インディアナポリス・コルツの攻撃コーディネーターであるニック・シリアニが新HCに就任した[13]。ドラフト指名権2つと引き換えにQBウェンツをインディアナポリス・コルツにトレードした。デショーン・ジャクソン、アルション・ジェフリーらの離脱でWRが手薄になり、ドラフトでは全体6位の指名権を12位にトレードダウンし、ドラフト当日にトレードアップしてWRデボンタ・スミスを全体10位で指名した。FAでQBガードナー・ミンシューやCBスティーブン・ネルソンなどを獲得する。エースQBには2年目の若いジェイレン・ハーツが指名された。公式戦が1試合増え選手の移籍や厳しいキャップにも悩まされ劣勢が予想されたがアトランタ・ファルコンズとのシーズン開幕戦を勝利しシリアニHCの初陣を飾った。シーズン途中にTEザック・アーツがアリゾナ・カージナルスに移籍しさらに厳しい戦いを強いられたが終盤連勝して、第17週にプレーオフ進出を決め9勝8敗と勝ち越し、今季より1枠拡大された第7シードとなった。ワイルドカードプレーオフでは第2シードのタンパベイ・バッカニアーズに15-31で敗れた。
2022年はGブランドン・ブルックスが引退、Sロドニー・マクロードがコルツに移籍した他に若手WRを放出。ドラフトでは1巡でDTジョーダン・デービス、2巡でC/Gキャム・ユンゲンスを指名、攻守の主力であるDTコックス、Cケルシーの後継者を獲得した。LBハーソン・レディック、CBジェームズ・ブラッドベリーらがFA加入、トレードでWRのA・J・ブラウン、SのC・J・ガードナー=ジョンソンなどを獲得した。攻守に渡り好調で開幕からリーグ唯一の8連勝を記録し、第10週のワシントン・コマンダーズとの同地区対決にて今季初黒星を喫したものの、その後も勝ち続け第14週にはプレーオフ出場を決めた。終盤でハーツの負傷欠場があり連敗を喫したがハーツは最終週で復帰し勝利を挙げ14勝3敗でレギュラーシーズンを終え、地区優勝と第1シードを獲得した。NFCの週間最優秀選手を開幕からの5週連続を含め延べ9人が受賞[14]、QBハーツは9月、LBレディックは12月のNFC月間最優秀選手を受賞した。ディビジョナルラウンドからの登場となったプレーオフ初戦は第6シードのニューヨーク・ジャイアンツに38-7で圧勝、5年ぶりに進んだNFCチャンピオンシップゲームでは第2シードのサンフランシスコ・フォーティナイナーズに31-7で勝利し、第57回スーパーボウルの出場を決めた。
2013年以降[編集]
アンディ・リードをHCに迎え、サンフランシスコ・フォーティーナイナーズからQBアレックス・スミスを獲得し、2年連続して地区最下位だったチームの成績は上昇に転じた。2013年から4年連続して勝ち越し、2013年、2015年はワイルドカードとしてプレーオフに進出したがカンファレンス決勝には進めなかった。
2016年、前セントルイス・ラムズのQBニック・フォールズと契約した。この年は地区優勝を遂げ第2シードとなったがプレーオフ初戦で敗れた。
2017年も連続して地区優勝を遂げたがプレーオフ初戦で敗退した。この年最終週にはドラフト全体10位で指名したルーキーのパトリック・マホームズがQBとして先発出場し、アレックス・スミスはシーズン後にワシントン・レッドスキンズにトレードされた。
2018年から先発QBに定着したパトリック・マホームズ
2018年はマホームズを先発QBとして地区優勝を遂げ西カンファレンス一位となって第1シードとなる。プレーオフ初戦はコルツを破り、1994年1月14日のオイラーズ戦以来となるプレーオフ勝利を飾ったが、AFCチャンピオンシップゲームでは、ニューイングランド・ペイトリオッツに延長の末37-31で屈した。
2019年、レギュラーシーズンを12勝4敗の成績で終えたチーフスは、4年連続で地区優勝を遂げプレーオフでは第2シードとなった。初戦ではヒューストン・テキサンズを迎え、パントブロック、パントレシーブのファンブルなどスペシャルチームのミスで一時は0-24と大きくリードされるものの、マホームズの6TDパスなどで逆転勝ちをおさめた。AFCチャンピオンシップゲームでもテネシー・タイタンズに一時は0-10とリードされるも逆転し、第4回以来半世紀ぶりにスーパーボウルに進出した。2020年2月2日の第54回スーパーボウル(ハードロック・スタジアム)では、4Qに3TDをあげる逆転でサンフランシスコ・フォーティナイナーズを31-20で破り、2度目のチャンピオンに輝いた。MVPは、マホームズが選ばれた。シーズンオフ、マホームズと北米スポーツ界で過去最大の契約となる10年5億300万ドルで契約延長した。
2020年、5年連続で地区優勝を遂げ、第1シードでプレーオフに進んだ。第1シードによる免除でプレーオフ初戦となったディビジョナル・プレーオフのクリーブランド・ブラウンズ戦では、試合途中でマホームズを負傷により失うこととなったが、交代時のリードを守りきり、3年連続でAFCチャンピオンシップに進出した[18]。マホームズはチャンピオンシップゲームでフル出場し、スーパーボウルに2年連続して出場した。第55回スーパーボウルでは、オフェンスライン選手の離脱やマホームズのケガの影響もあり、トム・ブレイディ率いるタンパベイ・バッカニアーズに9-31で敗れ、連覇とはならなかった[19][20]。
2021年、4年連続で12勝以上を挙げ、6年連続で地区優勝を遂げた。4年連続で出場したAFCチャンピオンシップ・ゲームではシンシナティ・ベンガルズに延長で敗れた。2022年3月24日、契約で合意に至らなかったWRタイリーク・ヒルを、2022年のNFLドラフト1巡目(全体29番目)、2巡目、4巡目、さらに2023年のNFLドラフト4巡目、6巡目と交換にマイアミ・ドルフィンズにトレードした[21]。
2022年にも7年連続となる地区優勝をあげた。第17週のビルズ対ベンガルズの試合が中止となったために試合数の少ないビルズを勝率で上回り、シード1位となった。ただし、AFCチャンピオンシップゲームがチーフスとビルズの対戦となった場合は、中止となった試合の結果次第でシード権が逆転したはずであるため、中立地のアトランタで行われることになったが[22]、ビルズがベンガルズに敗れたためにこの条件は成立しなかった。プレーオフ初戦ではジャガーズを破り、5年連続でAFCチャンピオンシップゲームに進み、本拠地にベンガルズを迎えた。23-20でベンガルズを破り昨年の雪辱を果たしスーパーボウルに進んだ。
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